負けない日経225再入門
ファンダメンタルズの正しい見方

割安株は存在しない

あなたは、割安株を探そうとしていないでしょうか?

割安株、つまり本来の企業の価値に対して割安な状態になっている銘柄です。確かに、「企業の本来の価値に対して割安な状態の銘柄を長期に渡って保有する」というのは、もっともらしく聞こえます。

しかし、本来の企業の価値を導き出すことは、世界中の優秀なアナリストが日々行っています。

それでも、割安なものが存在すると仮定するなら、アナリストが間違っていることになります。

また、仮にアナリストが間違っていたとして、個人投資家がアナリストすら計算できなかった企業の本来の価値を計算できるのでしょうか?

一般的に考えれば、世界中にたくさん存在するアナリストのほとんどが間違うことはないでしょうし、企業の分析を仕事としているアナリストよりも正確に分析できる個人投資家も、ほとんどいないでしょう。

しかし、アナリストが正しく企業の本来の価値が算出できるとすれば、すぐに適正な株価まで買われますから、そもそも割安な状態に放置されることなど起きるはずはありません。

結局、これらのことを総合すると『企業の本来の価値は存在しない』ということになります。

そして、企業の本来の価値が存在しないのであれば、『株価に割安な状態は存在しない』ということになるのです。

割安銘柄を探すことに、懸命になっていた方には少しショッキングな話かもしれませんね。

では、アナリストとはどういった存在なのでしょうか?

アナリストは投資で勝てない?

実際に我々レイバスにいる過去にアナリストとして活躍してきた人間は「アナリストは投資で勝つことはできない」、と言います。

これはどういうことでしょうか。

株価とは、企業の「将来の価値」を予測して動いていると言われます。「業績が良い」ではなく、「良くなりそう」な銘柄が買われるということです。

アナリストは、当然将来の企業業績を予測した上で、本来の価値を算出しようとしています。

では、みなさんはアナリストが企業の価値を算出するために、どのような手法を用いているかご存じでしょうか?

少し専門的な話になりますが、一般的なアナリストはDCF法や残余利益モデルといったものを使っています。

しかし、これらのモデルの問題点は、適正な株価を計算するためには実に様々な仮定を置く必要があるということです。

仮定とはどういうことかと言うと、例えば既存店の売上高が今後も過去と同じように成長した場合や、原材料価格(原油や銅など)が今後も現在と同じ価格で推移した場合などです。

そして、株価に大きな影響を与える為替に至っては、今後の予測はほとんどせずに、計算時点と同じ為替レートで企業の価値を算出しているのです。(もちろん、為替レートが変動し、業績に大きな影響があった場合は計算し直します)

つまり、アナリストの優劣は、この「仮定の置き方」によって決まると言えるのです。

さて、以上のことをまとめると、レイバスの元アナリストが言っていることの意味が分かると思います。

  1. 株価は将来の価値を表している
  2. アナリストは企業の価値を算出する際、様々な仮定を置いている

つまり、アナリストは様々な仮定を置いて企業の価値を算出しているものの、結局は将来のことであり、正解はない。ということです。

推奨銘柄が下がっても優秀なアナリスト

そして、アナリストが投資で勝てないのは、株価の動向において最も重要な、市場要因、つまり「日本」が買われるのかどうかを計算に入れていないことが要因なのです。

どういうことかというと、しかし、株価にとって最も重要なのは、企業の業績などではなくそもそも日本が買われるのかどうかです。

もう少し大きく言うと、日本の経済がどうなるのかということです。そして、日本の経済において重要なのは、アナリストが今後の予測をしない、原材料の価格や為替などなのです。

だからこそ、アナリストは投資で勝てないのです。

もちろん、個別企業の分析に関してはプロです。しかし、前述のように、個別銘柄の変動要因は、5割から8割が市場要因(日本が買われるかどうか)なのです。

例えば、リーマンショックの直前で、アナリストが買い推奨していた銘柄は、99%が大きく値下がりしたでしょう。

ただし、この結果はアナリストとしては問題ありません。なぜなら、アナリストにとって、日本(日経平均やTOPIX)がどうなるかを予測することは、仕事ではないからです。

だからこそ、レーティングの表記が、「今後TOPIXよりも良いパフォーマンスをする」と見込まれる銘柄に買い、としているのです。

つまり、TOPIXが30%下落しても、自分が買いだといった銘柄が10%の下落にとどまれば、優秀なアナリストとして評価されるのです。このため、すべての銘柄に影響を与える原油や為替の動きを予想していないのです。

しかし、個人投資家にとって重要なのは「儲かったか損したのか」です。

10%でも30%でも下落すれば負けは負けです。

投資で勝つために最も重要な「日本」の動向予測や原材料価格・為替などの予測を放棄していることから、アナリストは株で勝つことができませんし、それでも問題ありません。

一方、個人投資家は勝つことが目的です。だからこそ、個別銘柄の値動きに最も重要な日経225できちんと利益を出すことが最優先なのです。

その上で、アナリストの分析を使えばより効率的に資産が増えていくことでしょう。

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